山口県の焼き物 萩焼の話
こんばんは!本日も日本の焼き物についての回です。
萩焼
山口県萩市周辺で焼かれる陶器を萩焼と呼びます。その歴史は遡ること400年以上前になります。文禄・慶長の役の際、毛利輝元が連れ帰った朝鮮半島の陶工に高麗茶碗の写しを焼かせたことにより始まります。この点は唐津焼の始まりと似ているかもしれませんね。茶人たちに愛されながら栄えてきました。抹茶碗の世界では「一楽、二萩、三唐津」と歌われており、萩焼は茶の湯の中でも注目度が高いことがわかります。
萩焼の特徴
淡い色味の焼き物たち
萩焼は淡い色合いをした作品が多いです。白~ベージュ、ピンク、青、紫色の作品が多いです。材料は「大道土」と呼ばれる白い粘土を使います。また、陶器ですので厚ぼったい見た目をしています。
貫入
器を焼く際の温度が低温なため、焼き締まらないのです(もともと土に含まれるガラスの素が少ない上、ガラス質が溶け出しにくく器の表面をカバーしないのです。)。焼き物は焼成後、縮みます。しかし、土部分の素地と釉(粘土を整形した後に上からかける薬品、器表面のガラス質を形成)では収縮率が大きく異なる場合、釉部分のガラス質は収縮に耐えきれなくなり細かくヒビが入ります。この生産工程で入るヒビは貫入(かんにゅう)と呼ばれます。
高台の一部が切り取られている
萩焼の特徴としてみられるのが高台部分の切り込みです。高台とはお茶碗の底の台になっている部分です。萩焼は高台に切り込みが入っていたり、十字にカットしたり、桜の花びらのような形をしています。
吸水性あり ➡︎ 染み込みによる変化を楽しむ
貫入は意図して作られる場合と偶然に生じる場合があります。陶器は水が染み込みやすい性質があります。貫入もひび部分から徐々に水分が染み込みます。貫入のある湯飲みや抹茶碗は使ううちにお茶が染み込み器の色が変化します。茶人たちはこの色の染み込みによる変化を楽しんでいたそうです。
もし、淡い色味で表面にヒビ模様が見られ、高台に切り込みが入っていたら萩焼だと思って間違い無いでしょう。
本日もご覧いただきありがとうございました。