砂糖の調理科学。調理における役割と使い方は?
こんばんは前回の塩に続き、調理における砂糖の役割、使い方、種類について調べたので書いていきたいと思います。砂糖とはサトウキビやテンサイの絞り汁を精製し結晶にした天然の甘味料です。砂糖といってもいろんな種類がありますが、その違いを説明できますでしょうか?私はできません!正直、違いをよく知らなかったので、砂糖についても調べてみました。
調理における砂糖の役割
保水力
砂糖の分子は水によく溶け、水分子と結合しやすい性質があります。砂糖は水分子を抱え込むためよく煮ても食材の柔らかさを保ち硬くなりにくくしてくれる作用があります。
タンパク質凝固作用
タンパク質は熱が加わると変性して硬くなります。砂糖はこのタンパク質を固めるのを抑える作用があります。肉や卵料理に加えることで仕上がりが柔らかくなります。
デンプンの老化を防ぐ
デンプンは放置すると老化(硬くなる)します。砂糖はデンプンの水分とくっつくことによって、老化を防ぎます。酢飯や白玉、洋館などは砂糖が入ることでパサつかず、硬くならないのです。
砂糖の種類
上白糖
ショ糖を主成分とし、転化糖(ビスコ液)をかけて作られる砂糖です。そのため、表面に水分が保持されしっとりとした食感を持ちます。グラニュー糖に比べ甘味が強くコクがあると言われています。メーラード反応を起こしやすいため焦げ付きやすいです。
グラニュー糖
グラニュー糖の味は上白糖よりも上品で控えめと言われています。お菓子作りに向いている砂糖です。クセがないため、コーヒーや紅茶に加えるのにもおすすめです。
黒砂糖
黒砂糖は砂糖きびの絞り汁を煮詰めたものです。コクがあるため、豚の角煮などの煮物に使うと独特のコクのある仕上がりを期待できます。
砂糖の使い方
甘味を加える
最も一般的な用途ですね。日本料理の調味料の入れる順序として「さしすせそ」と言われるものがありますね。さ=砂糖です。最初の方で入れるのが基本とされていますが、これは砂糖の分子が大きく食材に浸透するのに時間がかかるためです。
香ばしい香り
料理のタレにはみりんと同様に砂糖を加えて加熱することでタレにテカリが出ます。また、アミノカルボニル反応によって香ばしい香りを生みます。アミノカルボニル反応とは、食品中に含まれるアミノ酸、ペプチド、タンパク質のアミノ基と還元糖のカルボニル基が反応して褐色色の物質が生成する反応です。この反応は食品の美味しさに影響を与える大事な反応です。反応の元になるアミノ酸や糖の種類によって作られる香りは異なります。チョコレート、カラメル、ナッツ様など様々です。
肉や卵を柔らかく仕上げる
砂糖のタンパク質凝固抑制作用は加熱によって肉や卵などが固まるのを抑える性質があります。この砂糖の作用は様々なレシピで活用されています。例えば、肉の煮込み料理で事前に少量の砂糖を肉に揉み込むことで、肉を硬くならずにすみます。プリンの独特の柔らかさも、砂糖が加わることで生まれるのです。プリンと茶碗蒸し硬さが違うことも砂糖による役割が大きいのです。
砂糖といっても、いろんな種類があり使い分けがされていることがわかりました。とはいえ、いろんな種類を家庭で揃えるのも大変ですよね。グラニュー糖や上白糖でいいかな?と思ってしまいました。最近は、ヴィーガンのスタイルが人気になってきており、ココナッツシュガーやアガベシロップも人気がありますよね。こちらの甘味料についても調べていきたいと思います。本日もご覧いただきありがとうございました。